コーヒーの実収穫 県特産品を目指す
コーヒーの実を収穫する青木孝尚代表(左)。=和歌山県白浜町日置で
和歌山県白浜町日置の農場「南紀白浜ファーム」で、コーヒーの実の収穫が始まっている。作業員らが赤く熟した直径約1センチの実を丁寧に摘み取っている。4棟のハウス(約10アール)にコーヒーの木を313本植えており、収穫作業は来年2月ごろまで続く。約200キロの収穫を見込んでいる。
建設会社の代表を30年以上務めた田辺市新庄町の青木孝尚さん(58)が、2020年7月に農業生産法人「アドバンス・4(フォー)・カンパニー」(白浜町栄)を設立。日置で購入した農地を造成し、「南紀白浜ファーム」と名付けた。
若い世代に農業を引き継いでいってもらいたいとコーヒー栽培を始めた。「ティピカ種」という品種を無農薬で栽培している。実を収穫するのは今季で2回目。12月中旬から初めて販売する予定。
国内でコーヒーを栽培している地域は少ないことから、県の特産品に成長させ、過疎化が進む地域の活性化を目指している。
昨季収穫したコーヒーを試飲した人からは「香りが良い」「飲みやすい」などと評判が良かったという。
コーヒー豆にして飲まれるのは、種の部分。実と皮や葉を加工して商品にすることや、実の収穫作業を一般の人に体験してもらうことなども計画している。
コーヒーの実
青木さんの取り組みに共感した阪急阪神百貨店「川西阪急」(兵庫県川西市)は来年2月中旬、同店で開催する「エコな暮らし」などをテーマにしたイベントで、このコーヒー豆を販売する予定。社員たちは、白浜の農場を訪れ、実の収穫などを体験している。
青木さんは「今後、ハウスを増設して栽培量を増やしていく計画。各地で眠っている休耕田をよみがえらせ、地域もよみがえらせたい」と話している。
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